管歯目



  管歯目はツチブタのみである。ツチブタは管(くだ)が通った歯をもつことから、管歯目と名付けられた。
  かつては、その退化した歯、シロアリを食べるといった特徴から、アリクイと同じ貧歯目に分類されていた。

 
       哺乳綱の多く ⇒ 犬歯や切歯があり、セメント質の外側に、固くて酸にも強いエナメル質の層がある。
 
        貧歯目   ⇒ 犬歯や切歯がなく、エナメル質のないセメント質で覆われた歯根のない臼歯のみ。
                  歯が全くないものもいる。
 
        ツチブタ   ⇒ 犬歯や切歯がなく、エナメル質のないセメント質で覆われた歯根のない臼歯のみ。
                  (臼歯(きゅうし)は一本の歯の横断面歯円形だが、細かく見るとたくさんの六角柱が
                   束になって出来ている。この六角柱の真ん中には細い管状の歯髄(しずい)があり、
                   その周りには象牙質、セメント質がある。)



  ツチブタは南アフリカの公用語であるアフリカーンス語で「土の豚」を意味するものが由来である。
  一見その長い鼻はブタに似ており、ブタが名前にもつくが、ブタとは生態が全く異なる。
  ツチブタは夜行性で、主にアリやシロアリを食べる。
  前肢に4本ずつ、後肢に5本ずつあるシャベル状の鋭く長い鉤爪で、穴を掘る。掘削中は長い耳を
  後ろに倒し、体毛で覆われた鼻孔も砂塵が侵入しづらくなっており、掘削に適化した体のつくりになっている。
  このため、固い地面でも2〜3分程で体全体を隠せるほど素早く穴を掘ることができる。
  ツチブタは短時間で土を掘削する能力においては、最も優れているといわれている。
 
  ツチブタが掘る穴は、以下の3種類である。
    (1)アリやシロアリなどの食物を探す時にできる穴
    (2)敵から非難する時などの臨時の穴
    (3)出産時や永久的な隠れ家の巣穴

  また哺乳綱の多くは、子宮が1つなのに対し、ツチブタと有袋目には子宮が2つある。


                                                ★ : 国内動物園(水族館) 飼育動物

種 ( 動物名 )
ツチブタ ツチブタ ツチブタ



                 参考図書 : 日本動物園水族館協会(JAZA動物電子図鑑)

                                                               動物図鑑TOPに戻る