動物図鑑
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はじめに・・・
生物の分類について
動物界(Animalia)の門(phylum)の分類は30前後である。
※分類の仕方により異なる。
その中でも我々ヒトも含まれる脊索動物門は動物界の中でも最も発達した生物のグループである。
脊索動物門は全体を4亜門に分けることができる。
無頭類と呼ばれる2亜門(尾索類と頭索類)と 有頭類と呼ばれる下記の2亜門である。
有頭類は通常5綱(魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)に分類される。(脊椎動物とも呼ばれる。)
しかし、亜門に関しては以下のような分類法もある。
分類法A
魚類・・・無顎類、板皮類、軟骨魚類、棘魚類、硬骨魚類
四肢動物・・・両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類
分類法B
無顎類・・・無顎類
顎口類・・・板皮類、軟骨魚類、棘魚類、硬骨魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類
分類法C
無羊膜類・・・無顎類、板皮類、軟骨魚類、棘魚類、硬骨魚類、両生類
有羊膜類・・・爬虫類、鳥類、哺乳類
分類法Aが通常最もよく知られた分類で、無顎類から硬骨魚類までを一括りにして「魚類」と呼んでしまう分類法である。
(この先はこの分類法Aを前提として話を進める。)
有頭類の綱(class)
◎哺乳綱・・・体の表面は毛でおおわれている。親が子どもを直接産む胎生で、メスは乳腺が発達して、
幼い子どもを母乳で育てる。体温を一定に保つことができる温血性。コウモリのように空が飛べるように
進化したものや、クジラのように水中で暮らすために魚綱のような形態に進化したものなどもいる。
一部に卵を産む卵生のものもいる。
◎鳥綱・・・・・体の表面は羽毛でおおわれている。前肢は翼になり、一部の鳥以外は飛ぶことができる。体温を一定に
保つことができる温血性。呼吸は肺呼吸。全ての種が卵生で、卵には殻があり、多くは親の体温で温められる。
最近の研究では、現存する生物の中で鳥綱が恐竜との類縁が非常に近いと考えられている。
◎爬虫綱・・・主なものは陸上で暮らし、体の表面は鱗でおおわれている。両生綱とちがって生まれた時から肺呼吸をし、
前後4本の肢がある。周りの温度によって体温が変わる冷血性。殻のある卵を産んで繁殖するが、卵の殻は
鳥類ほど固くはない。一部に卵を産まない胎生のものもいる。
◎両生綱・・・幼生は水中で暮らし、魚綱のような外観で鰓(えら)で呼吸をする。成長過程で変態して前後4本の肢が形成され
肺で呼吸をする成体になる。周りの温度によって体温が変わる。体は粘膜でおおわれていて、乾燥に弱いので
水から離れて暮らすことは難しい。
◎魚綱・・・・・水中を自由に泳ぎ回って鰓呼吸を行い、背びれ・しりびれ・尾びれと指のない4肢(胸びれと腹びれ)をもち、
水の温度によって体温が変わる冷血性の脊椎動物。
哺乳綱の目(order)
・有袋目(ユウタイモク) : カンガルー、コアラ、オポッサムなどの仲間。オーストラリアと南米に分布。
未熟な子を出産後、育児のうとよばれる袋で育てる。
・長鼻目(チョウビモク) : ゾウの仲間。現生するのはアフリカゾウ、アジアゾウ、マルミミゾウの3種のみ。
・霊長目(レイチョウモク) : ヒト、サルの仲間。樹上生活の結果、休息時に上半身を直立できるようになったのが特徴。
・偶蹄目(グウテイモク) : イノシシ、カバ、ラクダ、シカ、キリン、ウシなどの仲間。足の指が2本あるいは4本の偶数に
なっている草食動物。家畜が多い。
・食肉目裂脚亜目(ショクニクモクレッキャクアモク) : イヌ、キツネ、ネコ、ライオン、クマなどの仲間。肉食性の哺乳類で陸上にすむ。
・食肉目鰭脚亜目(ショクニクモクキキャクアモク) : アザラシ、オットセイ、アシカ、トドなどの仲間。肉食性の哺乳類で海上にすむ。
・奇蹄目(キテイモク) : ウマ、バク、サイなどの仲間。足の指が1本あるいは3本の奇数になっている草食動物。
・齧歯目(ゲッシモク) : リス、ネズミの仲間。最も種類の多い哺乳綱で、哺乳綱約4500種のうち1700種あまりを占める。
・翼手目(ヨクシュモク) : コウモリの仲間。前足の飛膜が発達し鳥のように飛行できるようになった唯一の哺乳類。
・皮翼目(ヒヨクモク) : ヒヨケザルの仲間。飛膜が前足と後ろ足の間、首と前足、尾と後ろ足の間にも発達し、
枝から枝へと滑空することができる。
・食虫目(ショクチュウモク) : モグラの仲間。夜行性のものが多く、土中で生活しているものや半水生のものもいる。
・単孔目(タンコウモク) : カモノハシと2種のハリモグラが含まれる。哺乳綱唯一の卵生である。
・貧歯目(ヒンシモク) : アリクイ、アルマジロ、ナマケモノなどの仲間。南米で起源し、独自の進化を遂げた特殊な哺乳類。
・有鱗目(ユウリンモク) : センザンコウの仲間。毛が変化して鱗のようになっている。
アジアとアフリカの熱帯域にのみ生息している。
・管歯目(カンシモク) : アフリカにすむツチブタという特異な動物1種だけが含まれる。
臼歯が管(くだ)を束ねたような形をしているのでこの名がついた。
・海牛目(カイギュウモク) : ジュゴン、マナティーの仲間。授乳の姿から人魚伝説が生まれたといわれている。
・ウサギ目 : ウサギの仲間。リス、ネズミでは上あごの切歯(前歯)が、2本であるが、ウサギの仲間は
さらにその裏に2本あるので、全部で4本である。耳が短いものもいる。
・クジラ目 : イルカ、クジラの仲間。肉食の歯クジラ類とプランクトン食のヒゲクジラ類に分かれる。
・ツパイ目 : ツパイの仲間。一見リスに似ているが、体の構成はモグラに似ており、樹上性で霊長目に近い。
東南アジアのみに分布し、敏捷(びんしょう)で昼行性である。
・ハイラックス目 : ハイラックスの仲間。姿や習性はウサギやネズミに似るが、蹄があるので
ゾウ、ウマ、ウシなどに近縁であることがわかる。
・ハネジネズミ目 : ハネジネズミの仲間。さまざまな小型哺乳類に似ているが、独自の仲間に分類されている。
アフリカのみに分布する。
鳥綱の目
・ダチョウ目 : ダチョウ、レア、エミュー、ヒクイドリなどの仲間。飛ぶことはできないが足が発達しており、走るのが得意。
・シギダチョウ目 : シギダチョウの仲間。飛ぶ力はあるがとても弱く、おもに地上で生活している。
・ペンギン目 : ペンギンの仲間。南極圏を中心に分布しているが、熱帯にいる種もいる。
飛ぶことはできないが、翼は泳いだり潜水するときに推進器の役割を果たしている。
・アビ目 : アビの仲間。飛翔力が弱く、飛び立つときには水面を滑走する。泳ぎや潜水がうまい。
・カイツブリ目 : カイツブリの仲間。飛ぶことは得意でないが、泳ぎや潜水はうまい。
・ミズナギドリ目 : アホウドリ、ミズナギドリなどの仲間。翼が細く長いのが特徴で、羽ばたかずに長時間飛ぶことができる。
・ペリカン目 : ペリカン、カツオドリ、ウなどの仲間。海洋性と淡水性のものがいるが、大部分が魚を食べている。
・コウノトリ目 : サギ、コウノトリ、トキなどの仲間。首と足が長く、水辺にすみ、魚やカエル、貝などを食べている。
・カモ目 : カモ、ガン、ハクチョウ、オシドリなどの仲間。水の上に浮かんで生活している。
・タカ目 : タカ、ワシなどの仲間。飛ぶ力が強い。狩りをする種類と動物の死体を食べる種類がある。
・キジ目 : キジ、ライチョウ、ニワトリ、ウズラなどの仲間。地上で生活するものが多く、家禽としても飼育されている。
・ツル目 : ツル、クイナ、バンなどの仲間。さまざまな特徴をもったものが含まれている。
・チドリ目 : チドリ、カモメ、ウミスズメの3つのタイプが属している。
チドリ類は歩行型、カモメ類は飛翔型、ウミスズメは遊泳型。
・ハト目 : ハトの仲間。頭が小さくて丸く、くちばしが細いのが特徴。
・オウム目 : オウム、インコの仲間。短くて太いかぎ型のくちばしをもっているのが特徴。羽毛の色が鮮やかなものが多い。
・カッコウ目 : カッコウの仲間。足の指が前後2本ずつになっているのが特徴。
・フクロウ目 : フクロウの仲間。夜行性で狩りをするものが多く、聴覚が発達している。
・ヨタカ目 : ヨタカの仲間。口を大きく開くことができ昆虫をとらえる。ずんぐりした形のものが多い。
・アマツバメ目 : アマツバメ、ハチドリの仲間。前者は高速で飛ぶことが得意で、後者はホバリングが得意。
・ネズミドリ目 : ネズミドリの仲間。アフリカに分布し、サバンナや開けた林に集団で生活している。
木々や幹の上を走るようすがネズミに似ているのが名前の由来。
・キヌバネドリ目 : キヌバネドリの仲間。嘴が大きく、昆虫や果実を食べている。体の色彩はとても鮮やか。
枝から枝へひらひらと飛ぶが長距離は飛べない。
・ブッポウソウ目 : ブッポウソウ、カワセミ、ヤツガシラなどの仲間。科によって生態が異なる。
・キツツキ目 : キツツキ、オオガシラ、オオハシなどの仲間。科によって生態が異なる。
・スズメ目 : スズメ、カラス、ウグイス、ヒヨドリなど5000種もの鳥が含まれる、鳥綱最大の目。
・フラミンゴ目 : ピンク色、紅色の体色、非常に長い脚と首を持つ大型の鳥。
爬虫綱の目
・有鱗目トカゲ亜目 : トカゲの仲間。大部分の種類に足があるが、退化したものもいる。
・有鱗目ヘビ亜目 : ヘビの仲間。手足は退化している。舌の先が2つに分かれている。
・有鱗目ミミズトカゲ亜目 : ミミズトカゲの仲間。体にはミミズのような体環がある。地中で暮らしている。
・カメ目 : カメの仲間。甲羅があるのが最大の特徴で、多くは頭部や4肢、尾を甲にしまうことができる。
・ムカシトカゲ目 : ムカシトカゲの仲間。現生種はニュージーランドに分布。中生代 三畳紀後期に出現して以来、
形態はほとんど変わっていない。
・ワニ目 : ワニの仲間。足はよく発達し、陸上でも活発な運動ができるのが特徴。
両生綱の目
・有尾目 : サンショウウオ、イモリなどの仲間。多くの種類は水中で幼生期を過ごす。
・無尾目 : カエルの仲間。後ろ足が発達しておりジャンプに適している。幼生期はオタマジャクシ。
・無足目 : アシナシイモリの仲間。外見はミミズに似ている。陸生のものと水生のものがいる。
魚綱の目
・ギンザメ目 : 3科6属約40種。日本近海には11種が生息し、現生のギンザメ類は全てこの中に含まれる。
・ネコザメ目 : 1科1属9種。ネコザメの仲間。2つの背びれに棘があるのが特徴。体はずんぐりして、縞模様がある。
・テンジクザメ目 : 7科14属34種。テンジクザメ、オオセ、ジンベイザメなどの仲間。頭部は丸みがあり扁平で、
丸い鼻の先に開いた口には小さな歯がたくさんある。
・ネズミザメ目 : 7科10属16種。シロワニ、ウバザメ、ホオジロザメなどの仲間。メジロザメ目と同様に一般的なサメの
イメージに近い外形をしている。一部を除いて全長が2〜3m以上にまで成長するものが多い。
・メジロザメ目 : 8科48属約270種。メジロザメの仲間。ネズミザメ目と同様に一般的なサメのイメージはこの仲間のもの。
紡錘型(ぼうすいけい)の体で、背びれ、尾びれ、胸びれが発達している。
・カグラザメ目 : 2科4属5種。背鰭は1基で、鰓裂が6対または7対と他のサメより多いのが特徴。
水深1000mまでの深海から見つかることが多い。
・キクザメ目 : 1科1属2種。全世界の海洋に広く分布すると考えられているが、いずれも深海性の稀種であるため、
その生態はあまり知られていない。かなり大型で、全長4mにまで成長する。
・ツノザメ目 : 6科24属約97種。背鰭が2つで、それぞれの鰭の前部に棘を1本持つものと全く持たないものがいる。
尻鰭はない。ツノザメ目の分類は不安定で流動的であり、学者によって意見の分かれる部分が多い。
・カスザメ目 : 1科1属1種。扁平な体と大きな胸びれが特徴。一見してエイに似ているが、サメの仲間である。
・ノコギリザメ目 : 1科2属5種。長く平らなノコギリ状の吻(ふん)をもち、両側に棘のような歯が多数並ぶ。
・シビレエイ目 : 2科11属38種。頭部の発電器官と胸鰭から50〜60ボルトの電気ショックを与えることができる。
・ノコギリエイ目 : 1科1属1種。吻は幅広く長く前に突き出て、その両側にのこぎり状に突起が規則正しく並ぶ。
ノコギリザメと似ているが、ノコギリザメにある吻のひげが本種にはないこと、鰓孔(さいこう)は
ノコギリザメでは体の側面についているが、本種では腹面についていることなどで区別できる。
・ガンギエイ目 : 4科32属300?種。尾部は棒状で、体盤中央・眼周辺部・尾部などに棘が並ぶが毒は持たない。
・トビエイ目 : 10科27属200?種。体盤がひし形で扁平で鳥のトビに似ているのでこの名がついた。
温帯・亜熱帯の沿岸域に生息している。尾部の背面に大きなトゲがあり、刺されるとひどい痛みを伴う。
・シーラカンス目 : 1科1属2種。深海に生息している。成魚になるまで体長180cm、体重98kg程まで大きくなる。多くの魚は
空気の詰まった浮き袋を持つが、シーラカンスは海水より密度の軽い脂肪の詰まった浮き袋を持つ。
鰭(ひれ)は、手足のような形態をしていて鰭の付け根に骨がある。この鰭を使って海底を歩くこともできる。
・ハイギョ目 : 1科3属6種。ハイギョ(肺魚)の成魚は鰓だけでなく、大部分の4肢動物と同様に2室の肺を持つ。
たまに水面に口を出して息継ぎを行う。気管の入口に声帯があり、繭を刺激すると発声する。
・ポリプテルス目 : 1科2属10種。熱帯アフリカに分布する淡水魚で、背中に小離鰭(しょうりき)と呼ばれる菱形の背びれが
10枚前後ある。対鰭(胸びれと腹びれ)はつけ根に筋肉が発達し、4肢動物の腕のようになっている。
うきぶくろは2つに分かれ、肺のように空気呼吸ができる。
・チョウザメ目 : 2科6属27種。チョウの形をした硬鱗(こうりん)という大きな板状のうろこの列をもつ。
チョウザメは高級食材キャビアの原料として漁獲される。
・ガー目 : 1科2属7種。全身はエナメル質で覆われた堅い菱形のガノイン鱗で覆われ、吻端は細長く鋭い歯が多く並ぶ。
鰾(浮袋)は肺と同じような機能を持ち、これにより空気呼吸を可能にしている。
・アミア目 : 1科1属1種。現生種はアミア・カルヴァのみ。北米大陸東部の淡水に生息する古代魚の1種で肉食である。
・ヒオドン目 : 1科1属2種。北アメリカに分布する淡水魚で、体長は50cm程である。明瞭な腹鰭をもち、鰭条は7本である。
・アロワナ目 : 4科28属218種。舌骨および口蓋を構成する副蝶形骨など、口腔を構成する骨によく発達した歯をもつ。
・カライワシ目 : 2科2属8種。熱帯から亜熱帯の浅い海域に分布し、ときに淡水・汽水域にも進出する。
体型はイワシ類に似てやや細長い。腹鰭が腹の位置にあり、鱗が円鱗で、鰓の開口部が広い。
・ソトイワシ目 : 2科3属30種。熱帯の浅海や深海などにに生息する。下顎の側線が開いた溝の中を走行するのが特徴。
・ウナギ目 : 3亜目15科141属791種。ウナギ・アナゴ・ハモ・ウミヘビ・ウツボなどの仲間がおり、細長く円筒状の体型が
特徴的で腹びれはない。胸びれのないものもいる。熱帯・温帯を中心とした世界中の海域に分布する。
・フウセンウナギ目 : 2亜目4科5属28種。深海魚でウナギのように細長い体と、極端に大きな顎の骨が特徴である。
背鰭と臀鰭は長く、鱗、腹鰭、鰓蓋骨、鰓条骨、肋骨、浮き袋を持たないなど極めて特異である。
・ニシン目 : 2亜目5科84属364種。体型は細長い円筒形のものや、植物の葉のように左右に平たいものがいる。稜鱗
(りょうりん)と呼ばれる硬い突起をもつ独特な鱗を腹部にもつ種類が多い。体の中央に背びれが1つある。
・ネズミギス目 : 3亜目4科7属40?種。口が小さく、歯を持たない。大きな特徴としてウェーバー器官
(浮き袋と内耳を連絡し、音を感じる器官)がある。
・コイ目 : 6科321属3270?種。淡水域の硬骨魚類ではナマズ目と並んで最大のグループの1つである。熱帯や寒帯
の河川や湖沼や渓流などに生息し、体長は1cm〜3m、体色・食性・繁殖形態も様々で多種多彩である。
・カラシン目 : 2亜目18科270属1674種。淡水魚で、ほとんどが体長3cm未満の小型魚類である。
ネズミギス目と同様にウェーバー器官をもつ。顎の歯がよく発達し、ほとんどの種類は肉食性である。
・ナマズ目 : 35科446属2870?種。一般に鱗がなく、大きくて扁平な頭部と、感覚器官として発達した
2〜4対の口ひげをもつ。コイ目と並んで淡水域の大きなグループである。
・デンキウナギ目 : 2亜目5科30属140?種。体型はウナギのように細長く、ウェーバー器官や発電器官をもつ。
全て夜行性の淡水魚で、中央アメリカから南アメリカにかけて分布する。
・ニギス目 : 2亜目6科57属202種。熱帯から温帯域にかけて広範囲に分布する。全種が海水魚で、
ほとんどが深海に生息する。鰓の上部に”crumenal器官”と呼ばれる複雑な構造があることが特徴である。
・キュウリウオ目 : 3科22属88種。体型は一般に細長く小型で、体長は60cm未満である。腹鰭は腹部の中央についている。
・サケ目 : 1科11属70?種。一般的にサケは川で産まれ海に下る。海で数年かけて大きくなり、
また産まれた川に戻り(母川回帰)産卵した後死亡する。魚種によって回帰性には差があり、
降海後の母川回帰までの海洋での回遊経路は魚種により大きく異なる。
・カワカマス目 : 2科4属10種。北半球の流れの緩やかな河川・湖に生息する淡水魚。体型は細長く、脂鰭をもたない。
腹鰭は体の中央付近に、背鰭と臀鰭は体の後方に位置する。幽門垂と中烏口骨をもたない。
・ワニトカゲギス目 : 2亜目5科53属391種。世界中の熱帯から温帯域にかけて広く分布する海水魚で、ほとんどが深海性。
体型は一般に細長く、体長は10cm前後の小型種が多く、最大でも50cm程度である。
・シャチブリ目 : 1科4属12種。海水魚で、ほとんどは深海の海底付近に生息する底生魚である。体型は細長い。体が全
体的に軟らかく、特に顔の先端部分(吻)は半透明ゼラチン状である。骨格の大半は軟骨で構成される。
・ヒメ目 : 4亜目15科44属236種。全世界の海洋に分布し、ごく浅い海から深海までと幅広い。 体型は一般的に
細長く、円筒形である。背中には背びれが1つあるほか、多くの種類に脂鰭(あぶらびれ)が見られる。
・ハダカイワシ目 : 2科35属246種。水深200〜1000mの中層に住む深海魚だが、夜間には餌を求めて海面近くまで
浮上する(日周鉛直移動)。体は左右に平べったく側扁し、口は大きく、脂鰭を持つ。
・アカマンボウ目 : 7科12属21種。世界中の温帯〜熱帯域の外洋に分布する海水魚。深海に生息する種類が多い。
形態は多様であり、マンボウのように円盤型のものや、細長い体のものなどがいる。
・ギンメダイ目 : 1科1属10?種。ほとんどが熱帯・亜熱帯海域の水深180〜640m付近に生息する深海魚である。
体型は左右に平たく側扁する。眼球が大きく、網膜の反射によって青味がかって見えることから、
ギンメダイの名がつけられた。舌骨から伸びた1対の長いヒゲが特徴である。
・サケスズキ目 : 3科7属9種。北アメリカの河川あるいは洞窟に生息する淡水魚。
腹鰭は胸鰭よりも後ろの位置にあり、背鰭には弱い棘条がある。基蝶形骨と眼窩蝶形骨を欠く。
・タラ目 : 9科75属555種。極海を含めた全世界の海洋に幅広く分布し、世界の総漁獲量の4分の1以上はタラ目の
魚が占めている。体型は細長く、長い背鰭(1-3基)と臀鰭(1-2基)をもち、耳石は大きく発達している。
・アシロ目 : 2亜目5科100属400?種。深海に生息する種類が多い。体型は細長く、尾部が伸長している。
腹鰭は喉の位置にあり、背鰭と尻鰭は長く、尾鰭とつながっていることが多い。
長い鰭と体をくねらせるようにして、海底近くを遊泳する底生魚である。体の両側に1対の鼻孔を持つ。
・ガマアンコウ目 : 1科22属78種。体型は縦方向につぶれた縦扁型をしており、頭部と口が大きい。眼は背中寄りにある。
ほとんどが鱗はなく、褐色調の体色をしている。肋骨と上耳骨を持たない。
・アンコウ目 : 3亜目18科66属313種。北極海・南極海の周辺を含めたほとんど全世界の海洋に分布し、大半の種類は
水深200m以深を主な生息域とする深海魚である。頭部から釣竿のように細長く突き出た誘引突起
(背鰭の第1棘条が変形したもの)をルアーのように動かして餌をおびき寄せる。
・ボラ目 : 1科17属72種。全世界の熱帯・温帯に広く分布し、一部は亜寒帯域にも生息し、汽水域から河川にも
進入する。体は細長い円筒形で、断面は楕円形か、背中側がややふくらんだ逆三角形である。
・トウゴロウイワシ目 : 2亜目6科48属312種。多くの種類は2つに分かれた背鰭をもち、前方の1つは比較的軟らかい
棘条のみ、後方の背鰭は1本の棘条と数本の軟条で構成される。臀鰭にも1本の棘条をもつ。
・ダツ目 : 2亜目5科36属227種。小型の淡水魚のメダカ亜目と外洋での遊泳生活に適応した海産種が多いダツ
亜目は、それぞれの生活様式はまったく異なっている。間舌骨(舌域を構成する骨の1つ)を欠いている。
・カダヤシ目 : 2亜目10科109属1013種。ほとんどがアフリカや南北アメリカの暖かい淡水や汽水域に棲む。多くの場合、
雄は雌よりも鮮やかな色彩をもつ。尾鰭の骨格は対称性をもち、後縁は平坦あるいは丸みを帯びている。
・クジラウオ目 : 9科28属75種。ほとんどが水深200m以深の深海に生息する。頭蓋骨が極端に薄く、多くの種類では
眼窩蝶形骨と主上顎骨を欠く。眼球の強膜をもたず、第1椎骨の神経弓が直下の椎体と癒合する。
・キンメダイ目 : 3亜目7科29属144種。分布範囲はサンゴ礁域から深海までと多岐にわたる。体型はタイのように
やや左右に平べったく、腹鰭が胸の位置にある。発光器をもつものや独特の形態をもつものもいる。
・マトウダイ目 : 2亜目6科16属32種。世界中の海洋に分布し、大陸棚や大陸斜面にかけて生息する。体高が大きく、著しく
側扁した(左右に平べったい)体型が特徴で、口は斜め上を向き、上顎を大きく突き出すことができる。
・トゲウオ目 : 2亜目11科71属278種。多くが海水魚で、淡水産や汽水域に進出するものもいる。イトヨなどは河川と海洋
を往復する回遊性の魚で、水草などで巣をつくることが知られている。体長20cm未満の小型種が多い。
・タウナギ目 : 2亜目3科15属99種。ほとんどが熱帯から亜熱帯域の淡水に分布するが、汽水域に進出するものもいる。
体型は細長く、腹鰭(はらびれ)をもたず、エラの開口部は体側面の下半分にとどまるのが特徴である。
・カサゴ目 : 7亜目26科279属1480?種。極海を含めた世界中の海に分布し、沿岸海域から海溝深部(水深7,000m以
深)までと、幅広い生息水深をもつ。海底を歩くように移動するものや、ぬるぬるした柔軟な体のもの
など、形態も多種多様である。眼下骨棚と呼ばれる骨格上の特徴を根拠としてまとめられた目である。
・スズキ目 : 20亜目160科1540?属10040?種。有頭類(脊椎動物)の中で最大の目で、多種多様な形態・生態を示す
グループである。淡水・汽水域・沿岸部〜外洋・深海と、ほとんど全ての水圏に分布している。
体は左右に平べったく側扁し、円鱗または櫛鱗に覆われる。背鰭は1または2つで、臀鰭は1つである。
・カレイ目 : 2亜目14科134属678種。浅い海から深海まで幅広い分布域をもち、ほとんどが海水魚である。
体は扁平で、体高が高く、楕円形に近い形をしている。両眼は体の左右どちらか一方に偏っている。
・フグ目 : 3亜目9科101属357種。ほとんどは暖海性で、熱帯・亜熱帯から温帯域にかけて分布する。動きは遅く
敏捷性に欠けるため、外敵に対しては硬い体・棘・大きく体を膨らませて威嚇するなどの方法で身を守る。
参考図書 : Yahoo!きっず図鑑、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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